合い言葉は
「おうちで暮らそう!」
高齢化の進行とともに、患者さんの特徴や求められる医療は変化しています。当院では、これらの変化に対応し、住み慣れた地域でご自身が望む生き方が続けられるよう「おうちで暮らそう!」を合い言葉に様々な取り組みを行っています。
超高齢社会の現状と今後
日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は2010年に23%を超え、世界に先駆けて「超高齢社会」を迎えました。当院を利用される患者さんも高齢の方が増えています。高齢患者さんの特徴として、複数の慢性的な疾患を有する方(マルチモビディティ患者)が多く見られます。
出典:(国立社会保障 ・ 人口問題研究所ホームページ)
超高齢社会を支える生活支援型医療
マルチモビディティ患者は、身体機能や精神機能、栄養状態の違いなどにより複雑な課題を多く抱えています。これらは、特定の病気を治療するだけでは解決が難しく、日常的な生活支援を必要とする場合も少なくありません。マルチモビディティ患者の増加とともに、必要とされる医療のあり方は、従来型医療(治す医療)から生活支援型医療(治し支える医療)へと変化しています。
- マルチモビディティ患者とは
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マルチモビディティ患者とは、複数の慢性疾患を同時に抱えている患者を指します。それぞれの病気が相互に影響し合い、複雑な医療管理が必要なケースが多いです。
主な慢性疾患
糖尿病、慢性心不全、脳血管障害、骨粗鬆症、認知症、がんなど
ほうじゅの取り組み
患者さんを生活者の視点で捉えた支援
生活支援型医療において重要なのが、「ときどき入院ほぼ在宅」のマインドと、患者さんを生活者の視点で捉えた支援を行う「Person Flow Management(PerFM)」の概念です(PerFM図参照)。超高齢社会の生活支援は複雑化し、量も拡大しています。そのため、入院から在宅療養までを一体とした切れ目ない地域医療・介護・福祉を提供する必要があります。
「病院内多職種協働」による在宅復帰支援
在宅復帰のための支援が必要な患者さんに対しては、「病院内多職種協働」による在宅療養生活を見据えた支援を行います。医療的な課題については、医師や各分野の専門職で構成される「すこやか生活支援グループ(HeaLinG)」が中心となって取り組みます。生活視点の課題については、「入退院支援室」を中心に課題の早期把握に努め、地域内の多職種も交えながら退院に向けて環境を整えます。
HeaLinGによる取り組み
リハビリテーション、栄養管理、口腔ケア、排泄ケア、褥瘡管理、認知症ケア、多剤併用対策 など
在宅療養を支える「地域内多職種協働」
在宅療養支援は、患者さんの心身の状態や退院後の生活環境などに配慮しながら、福祉制度の利用、在宅サービスの構築、施設入居の調整など、必要な環境整備を行います。安心安全な在宅療養生活を送っていただくために、ほうじゅグループ内や連携する事業所を含む地域内多職種協働で継続的な支援に取り組みます。
在宅療養支援の中心的な役割を担う
ほうじゅ在宅復帰支援センター奏
地域連携、入退院支援、医療福祉相談、居宅介護支援、訪問サービス
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)
ACPとは、これから受ける医療やケアについて、あなたの希望や思いが反映されるように前もって思いを整理したり、家族や医療従事者と話しをしたりすることをいいます。当院でもACPを大切なことと考え、必要な方には「ACPの手引き」や「意思表明書」をお渡しして、今後について考える機会を設けています。